セルウィンコンサルティング

シナリオ法とリスクマネジメント
2014年7月25日

今回は新規事業にチャレンジしていく際の経営者としてのリスクマネジメントについてお話しましょう。ちょうど日経ビジネスの経営教室でエステーの鈴木会長のお話が載っていましたので紹介します。

社長就任直後の1999年、私は消臭芳香剤「消臭ポット」を発売し、エステーの起死回生を狙いました。発売前に本社で開いた全社朝礼では、社員たちを前にこうぶち上げました。『今朝、枕元に女神が現れましてね。『消臭ポットでエステーは救われる』とのお告げがあった。だから、販売目標は初年度1000万個にしようと思う。何が何でもやる。絶対にやり遂げる。(原文のまま)

この業界では初年度1000万個はとんでもない数字でありましたが鈴木社長【当時】は売れる売れる売れると自己暗示をかけて皆に触れまわったそうです。しかしながら鈴木社長はこうした自己暗示だけではありません。冷静に状況を分析してリスクは何か、どこまで耐えれるかを正確に把握していた「もう一人の自分」がいて会社の財務内容にあった範囲での挑戦であったとおっしゃっておられます。まさにこうした冷静な目で起こりうる事態に備えておくことこそがリスクマネジメントといえましょう。[まずプランについて考えてみましょう]のところでお話ししましたように将来の数字は大別すると二種類あります。WILL(意思)の入った数字とBEST ESTIMATEとして冷静に見通した数値です。WILLベースで組織を鼓舞しながら、BEST ESTIMATEベースでリスクを評価して準備しておく、これがリスクマネジメントにおける数値の使い方です。したがって将来数値はシナリオ法によって2種類、いやそれ以上のパターンを持っておく必要があります。

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