セルウィンコンサルティング

管理会計の基本-役立ち①(部門別責任会計と製品別会計)
2014年12月10日

それでは今回は管理会計の経営管理への役立ちとはなにか、について考えてみたいと思います。

前回話しましたように経営管理=PDCAといいかえることが出来ます。役立ちを考えるためにはこのPDCAをもう少し突っ込んでみる必要があります。何のためにPDCAを回すかという視点で考えた場合、第1は組織の業績が最終的に目標に達成しているかを途中段階で分析し、どこを改善すれば目標達成に近づくかを検討しなければなりません。その分析のために管理会計は大きく2種類のデータを細分化してみる必要があります。そのひとつは部門責任会計といい、もう一つは製品別採算(会計)といいます。

部門責任会計とは読んで字のごとく組織の部門単位で業績を計算するもので、日本の会社では「事業本部」「事業部」「部門」「課」「グループ」などがその単位になります。言い換えればその部門長の業績を測り、戦略実行のための組織変更、人事異動の必要性を検討する材料となります。一方製品別採算は会社の扱っている製品やサービスの収益性を評価し、価格決定やコスト削減活動、更には撤退に関する意思決定を支援するものです。部門責任会計では売上は外販価格だけでなく内部振替価格を設定し、対応するコストも部門長の管理可能性を考慮して利益を計算するため、貢献利益という営業利益から管理不能費用を差し引いた利益概念で管理することが一般的です。製品別採算ではその製品やサービスに必要となるすべてのコストを集計して利益(主として営業利益)を計算することが一般的です。それぞれの視点で定期的に計算した利益によって全社の目標達成に必要な課題は何か、どのような施策を実行すればどの程度改善が見込まれるかなどまさにPDCAが定期的に回されることになります。

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